オピニオン:長期的な災害対策に向けた研究開発の取り組みについて(1)

中村仁彦・アンカーマン

(1)はじめに

東日本大震災と津波、その後の原子力発電所の災害によって、いつでも世界のどこかで大規模災害が起こりうること、それに備えることの重要性をあらためて知ることになった。地勢的な特色によって、わが国は古くから地震、津波、火山噴火、台風、豪雪、豪雨などの自然災害に見舞われてきた。今回の災害の教訓を最大限に生かすために、科学技術の役割とそれを有効に活用するシステム作りを考えたい。

気象庁はわが国の過去の地震に関する被害状況を以下のWEBページでまとめている。( http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/higai/index.html ) この20年間のわが国の地震、火山噴火、さらに海外の地震、ハリケーン、テロ事件などの大規模な災害だけでも以下のようになる。

1991年 雲仙岳噴火
1993年 北海道南西沖地震
1995年 阪神・淡路大震災
2001年 アメリカ同時多発テロ事件
2004年 新潟県中越地震
2004年 インドネシア、スマトラ島沖地震、津波
2005年 アメリカ、ハリケーンカトリーナ
2005年 パキスタン北部地震
2007年 新潟県中越沖地震、柏崎刈羽原子力発電所の事故
2008年 中国四川省、文川地震
2008年 岩手・宮城内陸地震
2010年 チリ中部地震
2011年 ニュージーランド、カンタベリー地震
2011年 東日本大震災、津波、福島第一原子力発電所の事故

わが国では、治水事業、防災システム、建築基準法の整備等によって自然災害に備える努力をしてきた。これらの効果は今回の東日本大地震においても検証されている。しかしながら今回のような大震災では甚大な被害を避けることはできない、国の中で被災地とそれ以外の地域の境界線は不条理に痛々しくも明確に描かれる。被災地の内側の人々の苦痛だけでなく、それを目にする外側の人々の不安も存在している。大規模な事故やテロ等においても同様である。突然に起きた被災という現実に対する苦痛や不安を最小に最短にとどめることは、文明国家としてあらためて言うまでもなく第一の目標とすべきことである。安心・安全な社会の目標は災害や事故の起きにくい防災システムをつくることと、起きた場合の国民の苦痛と不安を最小にとどめる対災害システムを作ることにある。防災、対災の両システムにおいて科学技術の果たす役割は大きい。



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