オピニオン:中期的な原発対策に向けた指針と研究開発の公開性について(1)

中村仁彦・アンカーマン

(1)はじめに
福島第一原子力発電所の廃炉に向けて今後十年から数十年のプロジェクトになることが東芝や日立製作所からの提案として報道されている。時間軸に沿って原子炉とその周辺の状況を把握し、それぞれの時点での状況把握に基づいて施設・設備環境の整備を行いながら作業を実施することになるだろう。放射性物質の指数関数的な減衰曲線をにらみながらの長期にわたる作業であるが、それが故に技術開発を並行して実施することができることは、苦難の中の一つの救いと言わねばならない。

(2)三つの指針
現在、福島第一原子力発電所で行われている緊急対応において、多くの作業に関わる人々が被ばくの危険を顧みず献身的な努力をされていることに驚嘆し、最大の敬意を表すものである。冷温停止後の廃炉に向けたプロジェクトでは、作業に関わる人々の被爆を現代の科学技術が可能にできる限り文字通りに最小にし、その上で廃炉までの期間を最短にすることによって被災で土地を離れなければならなかった人々の辛苦に報いることが、科学技術立国たるわが国が取るべき第一の指針である。

さらに、この国の一大事であるプロジェクトを負の遺産の解消の記録として歴史に碑銘するの ではなく、プロジェクトを通じて世界のどこかで再び起きるかもしれない原子力災害の対策技術を完成させ後世に伝えた記録として歴史に残す責務が、わが国にはある。これが第二の指針である。

第三の指針は、この長期プロジェクトが上の述べた理由により科学技術の先端的な要素技術、応用技術の粋を集めることに対して、わが国の産業基盤を再構築するきっかけを作るというしたたかな目標をもって取り組むべきことである。これは単に、二次的効果として開発済み技術の産業展開ということだけではなく、科学技術を現実の社会的課題に向けて集中して研究開発することでブレークスルーを生む研究開発システムを作り根付かせることが重要である。



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