タスクホースが中長期的に果たす役割(3)

中村仁彦・アンカーマン

公開性と経済性

技術の公開は企業にとっては簡単ではないだろう。しかし、重要な部分を秘密にしたままでも仕様を示すことは可能で、それにみあった効果があれば十分に検討に値する。とくに震災復興のような状況に合っては企業の社会的使命と経営上の観点からも,その理由付けは十分に可能である。中小企業やベンチャー企業ではそれぞれの尖った技術を提案することは、技術を展開するためにも、さらに尖らすためにも,前向きに取り組むべきであろう。技術の公開での組上げにおいて、もっとも利益を得るのは技術者である。広い知識や考え方をわが国の多くの技術者が同時に身につけることは、技術の知識だけではなく、技術の説明、評価、利用、運用にいたるまで、科学技術についてのわが国の技術者のリテラシーを格段に上げることになる。

また、わが国がもつロボットを含む技術が広い分野の技術者や経営者の眼にさらされることによって、二次的効果として新しい事業化の種を生むことができる。これによってこれまで、特にロボット技術についてテクノロジとビジネスがなかなか結びつかなかった、状況をその基盤から変革することになる。経営者やベンチャーキャピタルが真っ先に眼を向ける場を作ることになる。

教育機関においての教育効果も大きい。正確な情報の公開によって、技術を動員してその問題解決に参加することもできるし、その状況を見て疑似体験することもできる。ロボット関連技術の研究開発では、より基盤的な技術と実用に向かう技術への両極への集約が生まれ、そのどちらでもないものの淘汰が起きることになるだろう。これは望ましい変化である。

公開性とタスクフォースの役割

技術の公開性と、情報の公開性、この双方向のものが必要である。技術を公開の場で積み上げ組み立てるのは自己組織化のプロセスではあるが、目的毎にまとめられていくように、最小限の影響力を発揮する必要がある。このために少数のエキスパートの介在が必要である。研究者、企業の技術者、技術経営者などの少数の専門家を、学術団体が協力して推薦して選出することは可能である。タスクフォースが推薦することもできる。

情報を公開するための仕組みづくりは簡単ではない。すでにタスクフォースのメンバーが政府の委員会に参加している状況である。このような委員をタスクフォースからさらに推薦し、委員会のような場で提供される情報を、情報の提供者に本当に守秘義務のある情報かどうかを確認、吟味させることで、できるだけ正しい情報を適時に出させるべきである。



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