タスクホースが中長期的に果たす役割(2)

中村仁彦・アンカーマン

技術と情報の双方向の公開性

これには従来の政府からのトップダウンのプロジェクト主導や、提案書の公募ではないシステムが求められる。わが国の技術者や研究者らが企業、大学、研究機関あるいは個人の立場で相互に知恵を出し合って提案を組上げてゆき、状況に合った複数の提案をたてる。これを事業者、政府、省庁、自治体が判断して採用するようなシステムが必要である。この提案システムは、技術を出し合って提案をくみたてる公開性と、現場の状況をできるだけ正確に技術者集団に伝達する情報の公開性がなければ、機能しない。

震災の報道に接して技術者としての役割を考えた者は私だけではない。大企業の技術者やベンチャー企業の経営者たちとの会話の中でも同じような考えを聞くことが多い。これを震災復興の力として大きな流れを作らなければならない。

階層の少ないフラットなシステム

政府や省庁が主導するプロジェクトではプロジェクトのリーダの見識が重要である。政策的なリーダーシップも入っている。このシステムは平時のプロジェクト体制としては効率的に機能する。しかし、震災復興という目標が明らかな現在の状況には、技術に関してはむしろ選択肢を狭める集中的なリーダーシップは不要で、個々がリーダーシップをもって活動する場を作りそれを集約する仕組みことこそ重要ではないか。

省庁の主導、リーダの見識、事業者としての大企業などなど、組織の階層が生まれるに連れて、各階層の中での無意識の秘密が生まれる。厳密な守秘義務の発生する内容以外にも、守秘義務には当てはまらないが情報についても無意識の秘密を作ってしまう。技術の公開性、情報の公開性のためには階層の少ないフラットなシステムが必要である。

オンライン編集オンライン出版の仕様書

そのようなシステムの枠組の一例を挙げよう。インターネット上で、専門性と関心を持って集まった技術者や研究者が、共同で 仕様書を書くシステムが考えられる。中長期的な原子力災害現場での対策のプロセスの中で、現場で必要とされる状況と機能をもとに、広く技術者と研究者が参加して、オンラインで編集しながらロボットシステムの仕様書のオンライン出版を行うのである。

このプロセスに参加した技術者や研究者はすでに仕様書の詳細を頭に入れているため、必要とされれば直ちに分担して自分の会社や研究室でハードウェアやソフトェアの開発に取りかかることができる。



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