原子力防災ロボット1980-2000(2)

広瀬茂男教授(東工大)「大衆工学としてのロボット」日本ロボット学会誌,Vol. 21 No. 2, pp.138~140, 2003 より抜粋。

ロボットは作れば動き出すSF 漫画のような夢の機械ではない.また,現実的な原子炉関連事故のような極限環境で作動できるロボットシステムがそんなに簡単に開発できるものでもない.着 実に改良を重ね,同時にそれを操作できるオペレータも育成しながら,少しずつ実用性を高めていかなければならない「マシン」の一種である.作ってみて性能 が十分でなければ,その知見を引き継ぎながら開発を続け,機能が不完全でも事故が起きたら実際に出動して働かせられるように備えるべきである.そうでなけ れば,膨大な税金を使った意味がない.ドイツにはKHG,フランスにはグループアントラなどの原子力防災機関が常に装備を固め,要員の訓練を行っているの に日本ではなぜもっと真剣にそのような体制を取ろうとしないのだろうか.また結果的にお蔵入りするとしても,突貫工事で開発させておいてお蔵入りさせるな ら,少なくとももっと時間をかけてじっくりと開発してもらい,より完成度の高いものを作ってもらうべきではなかったのだろうか.単年度予算だから年度内に 予算は消化しなければならないとか,このような施設に予算を使いたがらない電力業界の抵抗などもあったのかもしれないが,この不景気の最中,数十億円の税 金を使うのであれば,それを有効活用する手立てはなかったのだろうか.日本が誇る優秀な現場のエンジニアがいくらがんばっても,このような硬直化した科学 技術行政システムの中で技術開発が続けられる限り,日本のロボットはいつまでも夢見るロボットにとどまるであろう.なお,この件に関しては,現在NPOの 「国際レスキューシステム研究機構」と,神奈川県,日本鋼管などが共同して対処法を模索中である.当然著しく困難な問題点が残されているが,なんとか日本 の今後のために利用できるようにしていくつもりである.

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