災害対策ロボット技術解説(1)

ロボット技術の現状

東京大学教授 淺間 一

ロボットは,移動・作業・計測などの機能を有する汎用性を有する機械システムである.日本はロボット技術の先進国であり,日本ではこれまで多くの研究開発,技術開発が行われてきた.人間と同等な機能を有するような万能機械は開発されていないものの,何らかの環境条件を満たせば,移動,搬送,情報収集,作業などのミッションを,遠隔操作などによって遂行できるロボットや機械システムは日本に多く存在する.

「機械」であるがゆえ,人間では困難な,あるいは不可能な作業を実行する潜在能力がある.高放射線環境下での移動・情報収集・作業,狭隘環境への侵入・情報収集,瓦礫などの大型障害物の除去などはそのような作業である.人間がアクセスすることが極めて困難な高放射線環境下で,移動しながら,情報収集や作業を行うには,ロボット技術を適用することを考えるべきである.

ロボット技術とは,ロボットそのものを指すわけではない.指定された環境において,要求されたミッションを遂行するという要求に対し,センサやアクチュエータなどの要素を組み合わせ,メカ,制御システム,情報処理アルゴリズムなどを設計し,それを実際に動作させることで,要求を実現するという,システムインテグレーション技術である.換言すれば,ミッションと課題に対し,機械工学,電気工学,情報処理などの知識と技術によってソリューションを提示する技術である.

高放射線環境下で,かつ瓦礫などが多い環境において,長時間自在に移動したり,多様な作業を行えるような汎用ロボットは,現時点で存在しないが,短時間の動作,比較的線量率が低い環境での動作など,環境や作業を一部限定すれば,現存するロボットを活用できる場合もある.

また,上述のように,現存するロボットをそのまま適用できない場合でも,ロボット技術者であれば,状況に応じて,入手可能なロボット技術をいかに組み合わせ,ミッションを達成するための解決策を導出したり,現場での補強や改造などを短時間で行いながら,臨機応変にシステムを再構築し,ミッション要求にある程度対応することも可能と考えられる.



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