災害対策ロボット技術解説(4)

導入における検討事項

東京大学教授 淺間 一

ロボットシステム導入に関しては,以下の点について,十分検討する必要がある.

• 要求ミッション・作業内容の確認
– どのようなミッション,作業を行えばよいのか

• ロボット動作環境の把握
– 放射線量,瓦礫,無線,電源,照明条件,水,等

• ロボットの機能の確認・入手可能なロボット技術の把握
– ミッションを遂行するのに十分な機能・性能を有するロボット(解)が存在するかの検討
– 近似解は存在するか(一部の条件なら可能など)の検討

• 問題解決(もし,既存のシステムだけでは,機能が不十分である場合)
– ロボットの補強・改造,動的システム設計・構築
– 動作環境の整備
– ミッション・作業の見直し

• 運用上の準備
– オペレータの確保,訓練
– 充電環境の整備
– 操作盤(操作小屋)の設置
– マッピング

マッッピングに関連するデータのハンドリングに関して,緊急を要する問題に最優先で対応するためには,時々刻々と変化する(時間と空間に依存する)情報を蓄積し,柔軟に配信するシステムが必要である.災害対策ミッションの計画やその見直しの再計画には,素早く更新される情報が必須である.また,原発事故のような希有な災害経験を後世に残すためにも時空間データの記録は重要である.


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